チャンスか、敬遠すべきことか
「住居を自由に移動するというのも、アメリカ的な豊かさを得るためには必要なことである。解雇された労働者にとって、次の仕事は家族や友人から遠く離れたところかもしれない。新しい仕事のため、それはもしかしたらカリフォルニアかもしれないが、引っ越さなければならないというのは、アメリカ人にとってはいいチャンスだと映るが、家族や友人のそばで一生を過ごすことが当たり前の社会では敬遠されがちなことである。」
「グローバリゼーションに対する恐怖が強まるのは、他国の多くの人々がアメリカ流の高い生活水準と技術のリーダーシップを手に入れたいのにもかかわらず、それを得るためにアメリカ人と同じことをしたくないからである」ということの説明の1つに上記のことがあげられている。
サローは、「高校のあった街から2500マイルも離れた街に住んでいるため」、高校生時代からの親友は「一人もいない」とも書いている。
レスター・C・サロー『知識資本主義』(三上義一訳、ダイヤモンド社、2004年)137-139ページ。
原題は、「Fortune Favors the Bold」