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June 07, 2023

「まちづくり協議会」の新役員が選出されたことを「市民センターだより」(6月1日号)で知って考えたこと

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  1. まちづくり協議会の新役員選出にともなって、まちづくり協議会に「相談役」という役職が新設されたこと。また、それ以外の校区2団体(社会福祉協議会、自治連合会)にもその役職が同時に新設されたようであること。
  2. いままでの例から考えると、同一メンバーが、まちづくり協議会、社会福祉協議会、自治連合会の役員(新設のものを含む)に就任した可能性があること——相互に関係のある複数の団体の役職を同一人物や同一メンバーが務めていれば、「利益相反」の問題が生じる。
  3. おそらく、まちづくり協議会ではなく、社会福祉協議会と自治連合会において「役員手当細則」が変更されるであろうこと。
  4. まちづくり協議会、自治連合会、社会福祉協議会の校区3団体の性格や設立目的の違いが十分に認識されていないこと。「3つの団体は志井校区の住民で構成されている」という説明はミスリーディングである。
  5. 校区レベルの2団体(自治連合会と社会福祉協議会)の重要議題(人事、決算報告や予算案など)が、それらの団体に「校区分担金」を拠出する個々の町内会・自治会の会員に知らされないまま処理されていく状況が続いている。このことから推察されることだが、それらの団体と「住民の自治組織」である町内会・自治会との関係が、ヒエラルヒーの中でとらえられたり、「上意下達」の関係としてとらえられているようだということ。
  6. 言うまでもないことだが、そもそも、町内会・自治会が校区自治連合会に加盟することは任意であり、加盟しなければ「校区分担金」の一部の「自治連合会会費」を「上納」する必要もなくなる。そうしても、町内会・自治会が、市からの各種助成金(街路灯助成金、ゴミステーション管理助成金等)を受け取れなくなるはずはない。
  7.  

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    資料1:町内会の単年度収支の推移
    (予算において支出の第1位と第2位は、役員手当と校区分担金。)

     

  8. 市政連絡事務委託料、県広報紙配付委託料等の会計上の扱いが校区レベルにおいて透明性を欠いていること。
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    資料2:南区自治総連合会会長が発した文書の一部

     

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    資料3:校区自治連合会予算案
    (市及び県からの委託料が計上されていない。)

     

  10. 志井校区まちづくり協議会規約第12条「総会の成立」によれば、総会は、役員——規約第5条で、会長、副会長、事務局員、会計、会計監査を役員と規定している——だけで開かれ、出席者数に委任状提出者数を加えた人数の過半数で成立するという規定になっている。役員会と総会との区別がないのだろうか。)
  11.  


     

    市民センターだより

    市民センターだよりを受け取った。その中に、まちづくり協議会の新役員のリストが掲載されていた。校区自治連合会と校区社会福祉協議会の新役員については、どこにも触れられていないのだが、おそらく、その2つの団体の新役員も同じメンバーなのであろう。

    また、新会長の挨拶文と、「30年あまり自治連合会長を務められた」と新会長が称えたまちづくり協議会前会長の「志井は日本一」というメッセージも載っていた。

    「日本は世界一」という文言は出てこなかったが、そのメッセージの中に「さくら、世界一」という文言が出てきた。桜以外の花の美しさを否定するつもりでないのならば、それに反論するつもりはない。また、かつての軍国主義と「幹がねじ曲げられてきた」(大貫恵美子)桜讃美との関係に言及するつもりもない(そのことについては、市が公園に桜の木を植えるようです。植える場合の桜の木はどの程度の高さでしょうか。)。

    1人の住民(あるいは市民)として、前会長にねぎらいの言葉をかけたい気持ちである。何度かお目にかかって、町内会が拠出する「校区分担金」のことなどで質問をさせていただいたりした。

    Screenshot-20230615-at-62319(みんなでつくる 志井校区の防災)

    前会長の実績について、「北九州市小倉南区志井校区の外部有識者の支援を受けた地区防災計画づくりに関する地域社会学的研究-半構造化面接法によるインタビュー調査及びSCATによる質的データ分析-」というタイトルの論文を、金思穎氏が書いている。関係者のナラティブ(あるいは説明)をそのまま受け入れているところが多く、その方法や内容についてはいくつかの疑問があるが、興味深い叙述も見られる(注1)。

    ところで、まちづくり協議会において新たに設けられた「相談役」というのはどういうポジションなのであろうか。どのように選任され、どのような権限等を持つのであろうか。任期についてはどうなっているのだろうか。

    このポジションは、これまでまちづくり協議会規約に規定されていなかったものである。前会長のために新たに設けられたものと考えていいのかどうか。このことについては、総会の議事録が公表されればその経緯が明らかになることであろう。

     

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    資料4: 市民センターだより

     

     

    まちづくり協議会規約に書いてあること

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    資料5:まちづくり協議会規約

     

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    資料6:まちづくり協議会規約

     

     

    「事務局役員会議」というもの

    まちづくり協議会規約(資料6)には各種団体名がリストにあるが、以下の通知文書(資料7)に見るように、自治連合会と社会福祉協議会とは、まちづくり協議会と「事務局役員会議」(どの団体の規約にも出てこない表現)が同一のようだ。また、その通知の時点で、まちづくり協議会、自治連合会、社会福祉協議会の3団体は、会長も同一人物である。

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    資料7:まちづくり協議会・社会福祉協議会・自治連合会 役員選出結果について、令和3年6月付け

    「管見によれば」と言うべき所だろうが、自治連合会は、町内会・自治会の連合体、社会福祉協議会は、社会福祉に関わる団体、まちづくり協議会は、これ以外の様々な団体等も含めて、それらの間の連携を深めるものなのではないだろうか。この最後の団体は、連絡・調整だけでなく、自治体からの補助金・助成金を地域の諸団体に配付するルートにもなっているようだが。

    「3つの団体は志井校区の住民で構成されており、団体の独自性はありますが、活動は重層的です」(注2)という説明を数年前の総会議事録で見たことがあるが、町内会・自治会、自治連合会、社会福祉協議会、まちづくり協議会の性格や設立目的の違いは、関係者にしっかりと認識されるべきであろう(町内会とその「上部」団体との関係: 校区分担金と市政連絡事務委託料をめぐって)。

    また、相互に関係のある複数の団体の役職を同一人物や同一メンバーが務めていれば、「利益相反」の問題が必ず起こってくる。例えば、校区社会福祉協議会の支出内容と校区自治連合会の支出内容を検討すると、予算を小さく組んでいる校区自治連合会の「利益」のために校区社会福祉協議会の活動内容が操作されているように見える。さらに言えば、手当が支給されないまちづくり協議会の役員のために、社会福祉協議会と自治連合会とが実質的に役員手当を負担していると見ることもできる。

     

    役員を選出するのは総会であること

    志井校区自治連合会・志井校区社会福祉協議会・志井校区自治連合会の会長名で2年前に発された前述の通知には、「事務局役員会議」が「役員を選出し決定」したと書いてある(注3)。しかし、例えば、自治連合会規約では、第8条で、明確に、「会長及び副会長は、会員の中から総会において選出する」「事務局員、会計及び会計監査は、会長が任命し総会の承認を得る。」と規定されている。

    2年以上前に、町内会の会計の任にあったときに、町内会長からその文書を入手して読み、疑問を持ち、校区3団体の関係者に問い合わせの葉書を出そうとして書いた文章を以下に引用する——投函することはなかった(注4)。

    私の職場での経験では、前年度の組合執行部が次年度の役員を推薦する慣行はありましたが、選挙は選挙管理委員会が実施し、総会で選挙結果が承認される手続きになっていたと思います。どのような形を取るにせよ、総会で執行部人事が承認されるという手続きが必要だと思います。また、三団体の総会の構成員は同じではないので、別々に手続きが行われるのが当然ではないでしょうか。

    新役員の選出(すなわち決定)は、今回はどのような形で行われたのだろうか。民主的な組織では当然のことが蔑(ないがし)ろにされているとしたら問題であろう。「民主主義の学校」として地方自治(と地域住民組織)は、大事な存在だと思う。

     

    規約改正・役員選出・役員手当

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    資料8:まちづくり協議会規約

     

    「相談役」の役職は、総会における規約の改正によって新設されたのだろうか。各団体の規約の改正によって、まちづくり協議会だけなく、自治連合会、社会福祉協議会にもこの役職が同時に設けられたのだろうか。また、その方向に進んだのは、校区3団体を一括して運営する前述の「事務局役員会議」あるいは執行部役員会——3団体それぞれの規約にそういう「議決機関」は存在しない——の決定によってなのだろうか。

    また、校区3団体のそれぞれにおいて、新役員が総会で選出され、新役員主導で会則の改正が行われて相談役のポストが新設され、前会長が相談役が任命され、それが総会によって承認されたのだろうか。それとも、「省エネ」的に、校区3団体の総会が同時に開かれて、旧役員が主導する会則改正があり、その場で直ちに新役員の選出(相談役を含む)が行われたのだろうか。

    相談役の新設によって、まちづくり協議会以外の校区2団体の「役員手当細則」も改正されたのだろうか。なお、決算書や予算案の収入の項目に市政連絡事務委託料、県広報紙配付委託料が出てこない場合には、それらは支出の処理が別の形でなされている可能性があるだろう。このことについて、会計監査報告に言及がないのはなぜなのだろうか。

     

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    資料9:志井校区自治連合会細則に従った役員手当

     

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    資料10:志井校区社会福祉協議会細則に従った役員手当

     

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    資料11:令和2年度決算報告書(校区自治連合会)

    上記の表(資料11)の「助成金」の項目は、市政連絡事務委託料、県広報紙配付委託料に対応するものではない。なお、平成31(令和元)年度決算報告では、「南区社会福祉協議会等より」と説明されていて決算額は193,200円——南区社会福祉協議会に確認したところ、同団体からの助成金が自治連合会の収入として処理されることは間違いということであった。

    令和3年度のまちづくり協議会予算案を見ると、まちづくり協議会の目的・機能がそこに現れていることがわかる。

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    資料12:まちづくり協議会予算案(令和3年5月)

    各項目で収入額と支出額とが同額である。自治体からの補助金・助成金を地域の諸団体に配付するルートにもなっているので、非常に公共性の強い団体で、「官製組織」の性格を有しているように感じられる。その点では、住民の自治組織である町内会・自治会とは性格が異なるように思う。

    なお、この予算(案)には市政連絡事務委託料が出てくるが、前述のごとく、それ以外に県広報紙配付委託料(1世帯当たり約50円)が、区自治総連合会から校区に渡されているはずである(ある町内会の単年度収支から辿っていって考えたこと: 校区「社協」・校区自治連合会・区自治総連合会等との会計上の関係)。

    支出の項目に「役員手当」がないのは、まちづくり協議会への参画は自主的かつボランティア的なものとして受け取られているためだろうか。北九州市自治総連合会の決算報告などからもうかがえることであるが、この種の非営利組織においては、役員や理事の活動は、自主的かつボランティア的な性格が強く、報酬や手当が支給されることは一般的ではないということなのだろうか。 

     

    [注]


    [1]

    論文の中には「リーダーシップ」について以下のような叙述があった。この部分などは、「地位と役割の内面化」という表現以外は、被面接者のナラティブを忠実に再現したものなのであろう——規範や役割を内面化することはあるが、地位を内面化するとはどういうことだろうか。 「地域活動や防災活動が形骸化し、共助の意識も低調」であるという観察が当てはまらないユニークな例として、金氏がこの校区をとりあげているようだが、「地域の有力者に根回し」する手法などは、都市化が進行する前の地域共同体においてしばしば見られたパターンではないかと考えざるを得ない。

    年輩者から事務の効率的なさばき方や地域の有力者に根回しをしてから全体の調整に入る手法を指導してもらい、リーダーとしてコミュニティに育てられた。特に、地域のお祭り(蛍祭り)、河川の清掃、ラジオ体操等の年中行事の運営は難しく、年輩者からそのノウハウを継承する形で地位と役割を内面化させ、コミュニティをまとめていけるようになった。このようなリーダー養成の仕組みは、行政からの指示等とは関係なく、地域コミュニティの中で自然にできた仕組みであり、住民はそれを大切にしている。(関東都市学会年報 20、p. 64)

    [2]

    「令和2年度志井校区自治連合会、社会福祉協議会、まちづくり協議会: 総会書面議決結果について」(令和2年5月18日付け)では、総会書面議決について 次のような意見が出たとして記録されている(資料13)。

    「議決権の無い議案がある」という意見が出ているのは、校区3団体のそれぞれを構成する団体等が同じではないことと関連しているのであろう——「まちづくり協議会」の構成(第4条)には、自治連合会、町内自治会長、社会福祉協議会等がリストに出てくるが、自治連合会や社会福祉協議会の構成は、これとは異なる。例えば、自治連合会の会員は「校区内に居住するすべての町内自治会会員及びその組織とする」(第4条)となっている。校区内の町内会・自治会の連合体という基本的性格から判断すれば、実質的には町内会・自治会の会長24人が「自治連合会総会」に出席するわけであろう。 そうであれば、議案が5本あって、それぞれについて、賛成52、反対2と記録されているが、この結果を、校区3団体それぞれの総会議決結果とみなすことはできない。また、議案を別に作成すれば同一議場でよいという問題ではない。

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    資料13:令和2年度志井校区自治連合会、社会福祉協議会、まちづくり協議会、 総会書面議決結果について

     

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    資料14:社会福祉協議会の理事会の構成
    (総会も理事会とメンバーが同一と規約第6条に規定されている。なお、リストの1番目の「自治連合会」は、「自治連合会長」ということなのだろうか、それとも、一定の範囲の自治連合会役員を指すのであろうか。)

      

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    資料15:志井校区まちづくり協議会規約第12条「総会の成立」
    (志井校区まちづくり協議会規約第12条は、なんとも不可解。会の構成に関する第4条では、自治連合会、町内自治会長、社会福祉協議会、小・中PTA会長、小中学校長、自治公民館長、民生・児童委員、保護司、青少年育成会、少年補導委員、少年補導員、子ども会育成会、老人クラブ、体育委員会、消防団の15の団体等があげられているが、「総会」は、まちづくり協議会役員——規約第5条で、会長、副会長、事務局員、会計、会計監査を役員と規定している——だけで開かれ、その過半数で成立するという規定のようだ。規約に役員会の規定はなく、役員会を総会と称しているのであろうか。いずれにせよ、議決機関としての総会が役員だけで開かれるというのは常識に反する。)

      

    [3]

    これよりも13日前の6月2日付けで以下のような文を含む通知が発されている。タイトルは「まちづくり協議会・社会福祉協議会・自治連合会: 役員選出について」で、発したのは、志井校区まちづくり協議会・志井校区自治連合会・社会福祉協議会の3団体の会長名での同一人物であり、宛名は「各役員様」となっていた。(この場合の「役員」というのは、各団体(「構成」の異なる)において総会への参加資格を有するメンバー全員を指すものではないと解釈してよいのであろうか。)

    今回、書面にて、選出する、会長・副会長に立候補希望の方は、6月10日(木) 19時までに志井市民センター事務局まで届けてください。立候補の届け出が ない場合には、まちづくり協議会・社会福祉協議会・自治連合会事務局役員会議にて人選し選出いたします。どうかご了承ください。

     

    [4]

    以下のような「葉書草稿」(2021年9月30日付け)も手元にある。結果的には、何ヶ月たってもその年度の「総会の議事録」を目にすることはできないままで、現在に至っている。

     五月十日に三団体の総会が開かれたようですが、総会配付資料では、三団体とも「総会次第」に「予算案」の審議や「役員選出」が含まれています。五月十日の総会で予算案等は成立したのでしょうか。

     社会福祉協議会及び自治連合会の令和三年度予算案の予備費の「各町内への返納」ということはいつ実施されるのでしょうか。

     町内会長の協力を得て、「まちづくり協議会・社会福祉協議会・自治連合会 役員選出結果について」(令和三年六月十五日付)を読ませて頂きました。それによれば、六月十四日に「事務局役員会議」で「役員を選出し決定」したとなっています。三団体の規約のどの条文に基づいてそのような形での決定がなされたのでしょうか。

     総会の議事録(決定事項の報告)が出てこないのはなぜなのでしょうか。町内会会長から様子を聞くことができるのでしょうか。

      

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