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July 08, 2023

校区という言葉について

ふと気になって、校区という言葉を調べてみた。NHK放送文化研究所のウェブサイトによれば、正確には、「通学区域」で、放送用語としては「学区」が使われているようだ。
公立学校の通学範囲を表すことばにはいくつかあるようですが、どれを使ったらよいのでしょうか。
正式名称は「通学区域」ですが、通称としては「学区」が最も一般的です。
(学区? 校区? 校下?、NHK放送文化研究所)
Screenshot-20230708-at-130928(北九州市教育委員会)

「まちづくり協議会」、「自治連合会」などが、「校区」単位で設けられている。これには、どういう意味があるだろうか。

北九州市は、平成6年度から、小学校区単位を基本に「まちづくり協議会」の設置を促進していて、小学校区とした理由として以下のことが挙げられている。

  • 子どもや高齢者が歩いて行ける「ご近所」という生活感覚に最も近く、子どもの通学路等で、親や地域住民が関心を持ち始めるエリアであること。
  • こうした生活感覚は地域課題の解決を図るうえで重要であり、活動の企画・実践に取り組みやすい。
  • また、小学校区単位に組織されている地域団体(自治会、社会福祉協議会、小学校PTA)もあり、様々な団体が一体となって地域づくりに取り組める素地があること。
  • 転入者や域外居住者から見ても、小学校区は分かりやすい。
    (地域づくり・まちづくりの概要、北九州市)

「子どもや高齢者が歩いて行ける『ご近所』という生活感覚に最も近」いというのは、市街地の場合には当てはまるかもしれないが、郊外の場合には、当てはまらないケースが多いのではないか。住宅が存在する範囲で見ても、徒歩であれば端から端まで1時間近く、あるいはそれ以上かかるところがある。

他方では、市街地においては、道路をはさんで反対側が別の町内会・自治会の区域で、しかも別の校区ということが各校区の周辺部において起こる。そのような場合、「ご近所」という感覚は、必ずしも、校区の境界に左右されるものではないはずである。

また、小学校区単位に組織されている地域団体として「自治会」があげられているが、町内会・自治会とは異なって、その「上部」団体の「校区自治連合会」は、住民の自治組織であるとは言えない(町内会とその「上部」団体との関係: 校区分担金と市政連絡事務委託料をめぐって)。

郊外であっても市街地であっても、都市化された「校区」においては、防災のためであれ他のどんなことのためであれ、その全体を1つの、かつての村落共同体のようなものととらえることには無理があり、バラバラな地域が1つにまとめられた、小学校のキャッチメント・エリアに過ぎない。地図を細かく見ると、小学校のキャッチメント・エリアが中学校のそれに包含されず、小学校のキャッチメント・エリアの境界線が中学校のそれと交差する部分も見られる。そのことが問題ではないのであれば、小学校区の範囲というものは、切り離すことのできない「固有の全体」とみなすことができるものではないことになる。つまり、「自然村」・「行政村」という概念を思い起こせば、「行政区域」であって「自然」地域ではない。

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