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October 21, 2024

プライド・アイデンティティ・ブランド・シンボル・スピリット

もともとは行政上の区分にすぎない門司区や北九州市というものに、人間のように「プライド」や「アイデンティティ」が必要なのだろうか。生活が門司区あるいは北九州市の内部で完結しているならば、そのようなものが生まれやすいかもしれないが、そうではないとしたら、また、地域的流動性の高い現代においては、たまたま生活している特定の地域に対して愛着や郷土愛のようなものを持つことを人々に強制することではないか。

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門司区や北九州市が商品であれば「ブランド」としてとらえることはありうるだろうが、「稼げるまち」を目指す「都市ブランド創造局」と同じような発想であるなら受け入れがたい。こういう表現が使われると、製造に要する費用があまりかかっていない安物を商品に関する知識に乏しい消費者に高く売りつける方法を工夫することのように見えてしまう。

遺跡の価値というものは、何なのだろうか。考古学や歴史学の門外漢としての意見であるが、遺跡として残っている「土木技術」を評価する場合でも、 テクノロジーがその時代のすべての事象のあり方を左右していくという決定論に陥ってしまうこともあるのではないだろうか ——さらに技術論的「ヒストリシズム」(カール・ポパー)の落とし穴も。

初代門司駅遺構が北九州市の「シンボル」となるかどうかはわからない。もっと古いものがよいかもしれないし、もっと新しいものがよいかもしれない。もちろん、北九州の若者文化として武内市長が宣伝する、ある貸衣装業者のド派手衣装以外のものが選ばれるべきだとは思う。多くの市民が市長の行動を不愉快に思っているはず——北九州市民としての立場から。

「北九州市のスピリット」というのは何のことかわからない。コミュニティ・スピリットというものが想定されているのだろうか。門司気質とか小倉気質とか、さらには「九州男児」というようなものが、個人間の多様性を気付かせないほどに存在するのだろうか。初代門司港駅遺構のことに門司港や門司区以外の市民が関心を持っているのだから、ローカルなスピリットではなく、もう少し普遍的な態度と結びつけて文化財の保存をとらえるべきではないだろうか。

歴史の記憶を呼び戻す手がかりとして古いものをできるだけ形を変えないで残していくことは大事なことだと思う。 このことは間違いない。たまたま門司区や北九州市でいま生活していて市議選などの有権者である市民には、このことについて果たすべき役割があると思う。 「門司はスゴイ」( = 門司だけがすごい)と感じたり「門司に住んでいる私たちはすごい」と誇ることはナンセンスだが、 門司区や北九州市に住んでいる市民が、歴史的に貴重な埋蔵文化財を守ることができれば、 そのことへの貢献ができたという意味でプライドを持つことは許されるであろう。

 

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October 17, 2024

門司港地域複合公共施設の建設を優先する北九州市に対する市議会各会派の見解についての毎日新聞の記事

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イコモスが発した「ヘリティジアラート」に応じず施設建設を優先する北九州市に対する市議会各会派の見解について毎日新聞(2024年10月9日)が取りあげている

9月4日に発出されたアラートは、市に遺構解体の中止とイコモスとの協議を求めたが、市は応じていない。アンケートでは(1)アラートに対する市の姿勢をどう考えるか(2)議会としてアラートへの見解を示す必要性の有無――の2点を尋ねた。

「自民・無所属」と「公明」は、両方の質問に回答をしなかった。「ハートフル」も同様であった。 「共産」、「村上聡子」、「井上真吾」は、市の姿勢を問題視し、議会としての審議をおこなうべきとの回答であったようだ。 「維新」は、市の姿勢の適否についてはっきり述べることなく、「さまざまな意見に耳を傾け、総合的な判断を検討する必要がある」と答え、2番目の質問に対しては、問われていること(議会での議論の必要性の有無)に触れずに「議案に上れば……」と答えたようだ。 「変革と未来」は、「問題と思わない」と「どちらとも言えない」、「若松を愛する会」は、両方の質問に「どちらとも言えない」。

「問題と思わない」という回答は、「変革と未来」の最初の質問に対するものだけであり、「そもそも専門家の意見など聞く必要はない」(井上純子市議)という考え方で一貫しているようだ。

記事では、回答をしなかったことを「回答を控えた」と表現している。控える必要はないはずなのでどういうことなのかと思う。「どちらとも言えない」という回答も何のことかわからない。初代門司港駅遺構の破壊についてイコモスから北九州市に対して警告が発せられているのに、議会で取りあげるかどうがということについてさえ簡単には結論を出せないということなのだろうか。


門司港駅遺構 アラート応じず 施設優先の北九州市対応 市議「問題視せず」大勢 毎日新聞アンケ /福岡 | 毎日新聞

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October 16, 2024

10月19日に市民団体の2つが協力して市民を集めて意見交換会をするという。

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初代門司駅遺構の保存に関して活動している市民団体の2つが協力して10月19日に市民を集めて意見交換会をするようだ。 2つの団体は発足の時期が異なるとともに、会名の違いにも現れているように、目標とするところが同じではないはずだ。単純に考えても、遺構の保存を求めることと、地域の未来を考えることとは全く同じということにはならない。しかし、もちろん、その2つの団体が協力して地域の未来を考えながら遺構の保存を実現することは望ましいことであるし、可能なことだと思う。 政治家を利用して要求を実現しようとすることはあるのだろうが、特定の党派の特定の候補者に選挙運動を手伝うことなどを約束して自分たちの要求を実現するというような方向に行くとしたら、多くのメンバーがまとまって行動することが不可能になるのではないだろうか。もちろん、すべての政治家たちの意見を確かめて落選運動をすることができるほどのまとまりが生まれうるのであれば党派的政治戦略に市民の運動を従属させる方向に進む必要はないわけだが、そういうことはおそらく無理であろう。

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October 15, 2024

小倉駅3階で古本市が開かれていた。

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サマセット・モームとグレアム・グリーンの本を買うことができた。合計で1,105円。 他に、ヴァルター・ベンヤミンの『パサージュ論Ⅲ 都市の遊歩者』(今村仁司他訳、岩波書店)、同『言語と社会』(佐藤康彦訳、晶文社)なども買って、それらは2,130円。クレジットカードは使えなかったので現金で支払いをした。

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October 14, 2024

「祝 敬老」ということで「煎茶小倉」を「志井校区社会福祉協議会」からもらった。

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品名:煎茶小倉
名称:緑茶
原材料名:緑茶(日本国産)
内容量:80g
賞味期限:2025.03.24
加工者/販売者:(株)辻利茶舗

小学生からの、手書きの短いメッセージが一緒であった。 校区の敬老会は、去年初めて出席し、そこで配られた弁当を食べたりした。 「青春サイクリング」や「カスバの女」などの曲が開演前に会場(小学校の体育館)でかかっていた。 今年は欠席した。

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Xのプロフィールの記述を少し変えてみた。

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https://x.com/mbrmghm

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October 11, 2024

市有地の開発行為で埋蔵文化財の保護について文化財保護審議会への諮問がなされていない場合に、住民監査請求をおこなうことができますか。

XのGrokの回答は以下の通り。

Answer
はい、市有地の開発行為において埋蔵文化財の保護に関して文化財保護審議会への諮問が行われていない場合、住民監査請求を行うことが可能です。以下にその理由と手続きについて簡単に説明します。

理由
法律上の義務: 文化財保護法や関連する地方自治法に基づき、埋蔵文化財の保護は重要な公的義務とされています。特に市有地の開発では、文化財保護審議会への諮問は通常のプロセスの一部です。
住民の権利: 住民は、公の利益を守るため、行政の違法または不当な行為に対して監査請求を行う権利を持っています。

手続き
監査請求: 住民は、市の監査委員に対して、文化財保護審議会への諮問が行われていないことについて監査請求を提出します。
監査の実施: 監査委員は、この請求に基づいて、開発行為が文化財保護法や関連規定に従っているかどうかを調査します。
結果: 監査の結果、違法または不当と認められた場合、市に対して是正措置を求めることができます。

文化財保護の重要性
文化財の価値: 埋蔵文化財は歴史的、学術的な価値があります。その保護は未来への文化遺産の継承を意味します。
審議会の役割: 文化財保護審議会は専門家から成り、文化財の保護についての助言や判断を行う重要な機関です。

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複合公共施設建設事業と初代門司港駅遺構の保存

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初代門司港駅関連遺構の保存を組織の目的として活動している2つの会がある。2024年10月5日の毎日新聞朝刊では、それぞれの最近の活動を並べて取り上げている。
1. 初代門司港駅跡の保存を求める会(代表は中川研治氏)
2. 門司・北九州の未来を考える会(代表は平出隆氏、「門司支部」代表が「門司の未来を考える会」の代表であった吉田清香氏)

11月19日には、この2つの市民団体が協力して、市主催の一般向け現地説明会に合わせて意見交換会がおこなわれる。

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X(旧Twitter)のアカウントをBasicからPremiumに変更


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Premiumにアップグレードすることによってアカウント名の右にブルーのチェックマークが付いた。 また、Analyticsなどを使えるようになった。impressionsの数が多い投稿を確認したりすることができる。 それ以外にも色々なことができるのかもしれないが確認できていない。 ココログなどとは違ってXは、後になって内容について自由に加筆修正などを行うことができないので、 その制約を考慮して使い分けを工夫していこうと思う。

Xで1度に表示される字数がどれだけなのかわからない()。 5行ぐらいで「Show more」が表示されるのだろうか。 そうだとすれば、できるだけそれ以上長くならないように文章を書いた方がよいだろう。 そして、それ以上長くなるようであれば、前書きだけを書いて、 別のサイトへのリンクを置いてリンク先のところで続きを読めるようにすればよいだろうか。

「原稿」をこのココログで書いてみて、内容に納得できたところでXでも投稿するというのがいいだろうか。 Xでまず書いて、それを1時間以内に加筆修正する作業というのはかなり不自由なやり方だと思うので。

写真があった方がよいようなので、必ず少なくとも1つ写真を載せるようにする。 Xでココログへのリンクを載せると、以下のように、書き始めの部分とともに、最初の写真が左側に少しトリミングされて表示される。

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「半角の計算で最初の280文字」がタイムラインに表示されるようだ。『X完全マニュアル』(八木重和、秀和システムズ)127ページ。 XのGrokで調べたら、全角を使った場合には140字分ということ。

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