われらのスピノザ
「ぼくたちの意志に左右されないものはそのままに受けいれ、ぼくたちの意志にまかされていることをおこなう。それはスピノザ主義の精神である。つまり、認識し、理解し、行動する。」
— アンドレ・コント=スポンヴィル『哲学はこんなふうに』(木田元ほか訳、河出文庫、2022年)
17世紀の哲学者スピノザの考え方についてある人が次のように説明している。
「神(God)すなわち自然(Nature)、それは1つの実体(substance)であって、無限(infinite)であり、その中にすべての存在する物(everything that exists)は含まれる。」
宇宙の中にすべてが存在するというイメージが浮かぶ。
『心は孤独な狩人』(新潮文庫、村上春樹訳)という小説を読んでいた。コープランドという黒人医師が「椅子の脇の床に置いた一冊の本を取りあげ」、スピノザを読み出す描写がある。1930年代後半のアメリカ南部の小さな街でおこる出来事をカーソン・マッカラーズという女性作家が描いたもの。
「スピノザを初めて読んだときは、生涯で最も記念すべき経験だった。何だか高い山脈を目にしたときのような高揚した気分で満たされた。」
モーム『サミング・アップ』(行方昭夫訳、岩波文庫)
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