鈴木満『新版 公共入札・契約手続きの実務:しくみの基本から談合防止策まで』(学陽書房、2022年)
「カルテルや談合は、事業者にとって、いわゆる企業努力をしなくても簡単に利益が得られる方法である。」
「談合が存在する場合には、入札参加資格や仕様書に対する質問はあまり多くはなく、また、質問の内容にも多様性がないのである。したがって、入札参加資格や仕様書に対する質問の少なさ、内容の非多様性から談合の存在を確認できるのである。」
「指名競争入札の場合には、指名された業者が入札に参加しないと発注者に『受注意欲がない』と判断されて、その後に行われる入札において指名されないおそれがあるので、指名業者全員が入札に参加して ......」(注1)
「長野県の例は、一般競争入札を全面的に導入し入札・契約手続きから恣意性を一切排除すれば、『天下り』を完全に排除できることを実証した ... ところが、... 恣意性の入り込みやすい技術提案評価型・総合評価方式を導入すると、それまで影を潜めていた「天下り」が復活する ...... 」(コラム:一般競争入札の全面的導入で『天下り』を根絶させた長野県)
「随意契約には、『見積合わせ』と『特命随意契約』の2種類があり、競争性の有無の観点から見ると、両者は全く異なった性質を有している。」
「『特命随意契約』は、取引の相手方をあらかじめ発注者が決め、この者と相対で価格を決める仕組みであり、競争は一切排除される。」(注2)
「(特命随意契約は、)首長が自分の有力な支持者に優先的に自治体の建設工事等を発注するとか、契約担当者等が、将来の天下り先を約束してくれた業者に優先的に建設工事等を発注するなどの便宜を図ることが可能になる。」
(1) 指名業者が入札に参加し1社以外が予定価格と同額を提示するというケースが北九州市で最近何件もあった。 ➔2023年10月以降の指名競争入札(工事監理業務委託)
(2) 発注者が仕様を示さず、予め決定した複数の候補者にプロポーザルをさせて委託先を選定するという方式を北九州市は「高度な知識プロポーザル方式」と呼び「特命随意契約」を結んでいる。
「SNSの現状分析やトレンド、各媒体の仕様等をふまえた、より効果的な運用提案や、魅力的な投稿画像の作成には、SNSに関する高度な知識と、専門的な技術を必要とする。上記の理由により、当該業務の委託先の選定にあたっては、本市が仕様を決定するよりも優れた成果が期待できる『高度な知識プロポーザル方式』を採用した。その結果、最も優れていた一般社団法人 まちはチームだと特命随意契約を締結した。」
➔随意契約とは何か?
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