「デジタルプラットフォームのアルゴリズム」というもの
数字にこそ価値があり、その価値観に行動が引っ張られる。我々の日常生活に浸透したものとしてその構造がもっとも色濃く出ているのが、各種SNSやYouTubeといったデジタルプラットフォームの世界である。
この先もYouTubeの影響力はさらに高まり、SNS上での発信が世論形成を促す流れはこれまで以上に加速すると思われる。それに伴って、アルゴリズムをハックすることの重要度はより増していく。立花[孝志]が展開しているような選挙戦略をさらに洗練させて、既存の政党とは全く違う形で支持を集める存在が登場しても不思議ではない。
数字が全てという価値観の浸透は、それを快く思わない層が数字より大事なものを具体的に示すことなく「人文知」や「リベラルな思想」を当たり前に上等なものとして扱ってきたことの帰結とも言えるのではないか。
これから社会がアナログ中心の構造に戻ることはあり得ない。だからこそ、デジタルプラットフォームの特性を理解し、そのうえで正しいだけでなく面白くて魅力的なメッセージを発信し続けるしかない。そして、それらを単発ではなく、一つのムーブメントとして見せていくことが必要になる。
レジー「数と刺激とSNS:ファスト教養が社会と政治をハックする」『世界』2023年6月号
- YouTubeは動画配信、SNSはメッセージのやりとり、ととらえると、YouTubeとSNSとの関係はどう把握すべきだろうか。どのような組み合わせが効果を発揮しているのだろうか。
- ここでの議論でアナログとデジタルという概念は有効であろうか。数値はアナログ的にも表示できるしデジタル的にも表示できる。例えば、時間というものは、アナログ時計でもデジタル時計でも表示することができる。また、数字、数値、量的なものが「そうではないもの」と無関係に存在できるとは思えない。さらに言えば、「測り得ないものを測る」という行為は決して目新しいものではないように思う。もちろん、YouTubeやXなどの「おすすめ」のアルゴリズムを批判的に分析することは重要なことであろう。
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