e. 統計

April 11, 2025

パーソナル質問とインパーソナル質問の区別

質問のワーディングによって回答が変わってくる。つまり、別のことを尋ねているということになる。

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安田三郎・原純輔『社会調査ハンドブック 第3版』(有斐閣双書、1982年)

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「『世論』の差」(朝日新聞1994年12月1日の「窓」欄)

「あなたは夫と妻がそれぞれ結婚前の名字を名乗る夫婦がいてもいいと思いますか」という質問は、選択的別姓制度の導入について尋ねるものであり、自分がどうしたいかというパーソナル質問ではない。つまり、本人の選好や選択を尋ねる質問ではない。「選択的」制度の導入が議論されているとしたら、パーソナル質問だけでなく、このようなワーディングのインパーソナル質問を尋ねることも必要なことだと思う。

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March 15, 2025

[資料]第2期北九州都市圏域連携中枢都市圏ビジョン(第4次改訂)令和6年7月

https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/001097668.pdf
「地域の中心都市である北九州市と近隣17市町が、「経済成長のけん引」「高次都市機能の集積・強化」「生活関連機能サービスの向上」の3つの柱をもとに連携し、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することを目的とする。」
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March 13, 2025

2つのグラフ(利益剰余金と人件費、生産性と実質賃金)

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生産性3割アップも「増えない給料」 原因は「貯めこむ大企業」にあった(TBS NEWS DIG 2025.02.25)

この2つのグラフが間違いでなければ、何が問題なのかが明らかだ。番組で登場する河野龍太郎氏は、日本経済の死角:収奪的システムを解き明かすの著者。

「儲かっても溜め込んで、実質賃金の引き上げも、人的資本投資にも慎重な大企業が長期停滞の元凶であることを明らかにしました。」
「イノベーションには収奪的なものと包摂的なものの二つのタイプがあって、前者は恩恵が一部の人に偏り、むしろ多くの人を苦しめます。」
「マクロ経済環境の下で、長期雇用制の枠外にいる人々がとりわけ苦境に陥っているから、日本版の『忘れられた人々』がアンチ・エスタブリッシュメント層を形成し、極端な言説の政治勢力を支持し始めているのではないかと心配されます。」
-- 河野龍太郎日本経済の死角:収奪的システムを解き明かす(ちくま新書、2025年2月)
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March 08, 2025

令和7年度当初予算案等

令和7年度当初予算案等(財政・変革局)

令和7年度当初予算案- 計数資料 - 北九州市

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「人を魅きつける」というのは日本語としておかしくないだろうか。 北九州市の役人たちはどうなってしまったのだろうか。 「反転攻勢」も、「観光大都市」も、「世界に冠たる」も大げさだ。 足が地に着いていない。

「人口100万都市の復活」と「北九州市の復活(revitalization)」とは意味が違う。 前者をこっそり取り下げ、 「祝祭資本主義」路線をとろうということなのだろう。

市議会の質疑応答を少しだけ聞いた。 役人の答弁で、何度も何度も「稼げるまち」という言葉が出てくるのが気になった。市民の生活に関係する具体的な目標が示されることなく。

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令和7年度当初予算


注:北九州市議会の記事を再掲し加筆

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北九州市の財政と市民経済計算(noteの記事)

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March 05, 2025

「企業誘致における民間投資」が過去最高2581億円とはどういうことか。

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北九州市の財政状況(令和5年度一般会計決算)

「企業誘致における民間投資」という表現は何を意味するか? 誘致した企業の令和5年度1年間の民間投資額が2,581億円ということなのだろうか?

「2024年度の市内投資額」は「見込み」額であり、「北九州市産業経済局企業立地支援部企業立地支援課」が「集計した数値」であるという回答を得られた。 令和5年度、つまり、2023年度の分はどうなのだろうか。 投資額は、誘致した企業だけの分なのか、それとも、市内全企業のものなのだろうか。

「誘致した企業」の令和5年度1年間の民間投資額が2,581億円ということだとすると、それ以外の企業もたくさんあるだろうから、市内全企業の民間投資額の総計はこれよりもずっと多くなるはず。 しかし、年度は異なるが、公表されている令和3年度の「市民経済計算」によれば、「総固定資本形成(名目)」の「民間企業設備」の額は2,553億円である。この額は市内全企業の1年間の投資額の推計である。「誘致した企業における民間投資」の額と市民経済計算の「民間企業設備」の額との計算上の整合性はどうなっているのだろうか。

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「総固定資本形成(名目)」の「民間企業設備」

「企業誘致における民間投資」というものが、企業からの補助金申請書に書かれている投資予定額を北九州市の企業立地支援課が集計したものであることがわかった。「市民経済計算」との関係についての説明は得られなかった。

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March 04, 2025

「失われた16年」という評価は正しかったのだろうか。

「人口100万都市の復活」という発想を理解することができない。市役所の役人がそう考えるのはわからないわけではない。市民税をより多く徴収できるわけだから。第3次産業の経営者などがそう考えるのも、同じように想像することができる。しかし、それ以外の多くの市民は、「都市のサイズ」に幻想を抱くべきではないだろう。また、企業の立地選択を歪めるような多額の補助金を自治体が企業誘致のためとして支出しなくてよい。

生活のしやすさは、都市のサイズだけで決まるわけではないし、また、サイズが大きければいろいろな都市「問題」も生じやすいのだから。付言すれば、すこし違う理由からだが、「海外の富裕層など」を呼び込む「観光大都市」というのも、本当に市民が望んでいることだろうか。北九州市には、IR誘致を人口減少や高齢化などの万能薬と宣伝した人たちがいるので要注意だ。

「失われた16年」という評価は正しかったのだろうか。 人口の減少をとらえてそう評価したのだとすれば、これからも、失われた年々が続く可能性が高い。 「人口100万都市の復活」は、「為せば成る」というものではないし、また、「市民の強い意志」で実現すべきことでもない。 人口減少社会に対応した政策を遅らせるわけにはいかない。

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Continue reading "「失われた16年」という評価は正しかったのだろうか。"

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February 28, 2025

[資料]北九州市観光動態調査(令和4年次)

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全体としては、2019年がピークであった。そのあとは、COVID-19の影響からの回復の過程。 産業構造が観光産業に依存しすぎることは危険であるという教訓。

北九州市観光動態調査(令和4年次)

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February 22, 2025

年代別社会増減(北九州市)

【年齢グループ別社会増減、2023-2024】
表とグラフの関係を確認することができた。市の発表では、「若者」と「子育て世代」が「大幅に改善」したということだが、2024年に実際に転入超過と転じたのは40代だけであり、20代も30代も依然として転出超過である。

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February 19, 2025

北九州市の人口推移等について

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総務財政委員会2024(令和6)年10月30日

 


3番目の図では、コロナの影響がきちんと考慮されている。

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