k. 住民監査請求

January 16, 2025

北九州市による初代門司港駅関連遺構の破壊

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January 13, 2025

「門司港のある日」というスライドをClipchampで作成してみた。

「門司港のある日」
(初代門司港駅関連遺構,北九州市門司区清滝2丁目,2024年10月19日撮影)
「旧門司駅遺構の発掘調査の一般向け現地説明会」が開催された。
市主催のものとは別に市民団体による「勉強説明会」も門司生涯学習センター3階会議室で開催された。市民団体とは、「初代門司港駅跡の保存を求める会」と「門司・北九州の未来を考える会」。



唐戸から門司港へ(2024年8月20日)

門司港へ(2024年11月25日)

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January 05, 2025

北九州市による初代門司港駅遺構の破壊は「文化財保護史の汚点」となった。

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December 31, 2024

層をなしている塊は、持ち上げたときに簡単に崩れてしまうのではないか?

「ユンボ取り上げ」とは、どのような状況なのだろうか? 溝口孝司教授によれば、「低湿地部分基礎の不等沈下を防ぐための胴木、その上に構築された木組、その上に設置された木枠に流しこまれたコンクリート、その上に積まれたレンガ壁体」が「ユンボ取りあげ」されたという。 層をなしている塊は、持ち上げたときに簡単に崩れてしまうのではないか?

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"低湿地部分基礎の不等沈下を防ぐための胴木、その上に構築された木組、その上に設置された木枠に流しこまれたコンクリート、その上に積まれたレンガ壁体、これらは<立会>でユンボ取り上げされたとの情報をいただいております。"
Koji Mizoguchi 氏のポスト

➔「北九州の鉄道遺構、ごく一部を埋め戻し保存 市が方針」(日本経済新聞2024年11月21日

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December 30, 2024

「重要なもの」についての説明におけるくいちがい

資料1市民文化スポーツ局長(現都市ブランド創造局長)は文化財保護審議会への諮問は教育委員会の権限であると述べている。しかし、教育委員会が文化財保護審議会に文化財の保護に関して諮問するということが、本当に教育委員会の権限として残されていると言えない。初代門司港駅関連遺構について、「文化財登録に向けた価値付けに到らなかった案件」と説明しているのは市民文化スポーツ局長である。

資料2では、市民文化スポーツ局文化企画課長が、「文化財保護審議会の委員の委嘱や条例、規則の制定、改廃」について、それらは「市民文化スポーツ局長の専決事項」ではないとし、それらが「重要なもの」であるから「教育委員会に諮らなければならない」と説明している。しかし、 「文化財登録に向けた価値付け」についてはここでは言及せず、「市民文化スポーツ局長の専決事項」としてとらえていることが推測される。

資料4では、教育委員会総務課長が、「(市民文化スポーツ局が)文化財の指定をしたときは、教育委員会において報告という形でお知らせをいただいております」と回答していて、文化財の指定の「実質的」権限が教育委員会にはないということが推測される。

順序が逆になったが、資料3では、ある北九州市議が市当局の立場について、「教育長に文化財保護に関して一部の権限を残している」という趣旨の説明を行っている(「事務委任」という語句は「補助執行」の誤りであろう)。 それによれば、「文化財保護審議会委員の選任」と「文化財保護審議会への諮問」が、「教育長」の権限として、残っているという説明が行われている。 この市議の説明には、明白な誤りがある。教育委員会が合議制の執行機関であることを認識していないということである。教育長の専決事項にその2項目は規定上も含まれていない。
「補助執行させる市長部局と方針を共有しながら、今回の方針でよい、と教育長が判断し、文化財保護審議会にかけなかった」という説明は、おそらく、市民文化スポーツ局長や教育委員会総務課長の議会での答弁から判断すれば、市民文化スポーツ局から教育委員会(教育長)に「お知らせ」が行われたということなのであろう。教育委員会が文化財保護審議会に文化財の保護に関して諮問するという、市議のあげる(残された)2項目の1つは、本当に教育委員会の権限として残されていると言えるだろうか?

なお、以下の資料1、資料2、資料4は、2024(令和6)年3月6日に開かれた北九州市議会教育文化委員会での関係者の発言から引用している。資料3は、市当局を擁護する立場で、ある市議が2024年3月8日にXに投稿したものである。

資料1
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資料2
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資料3
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資料4
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補助執行という言葉が市議会でどのように使われたか。

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住民監査請求が棄却された場合に情報公開条例を利用してどのようにして棄却されたかの開示を求めることについて

住民が提起した住民監査請求が棄却ないし却下された場合において,どのように監査請求が棄却,却下されたのかについて,情報公開条例を利用する形で自治体に開示を求めるということも順番としてありうるだろう。前記した,大分地判平成 11・5・31 は,まさに住民監査請求における監査事務の内容の開示を求める裁判であった。 いずれにしても,住民が,情報公開条例の適用対象(実施機関)である監査委員に対して情報開示を求めることは,文理上,何ら問題とされるべき請求に当たらないことは明らかなため,次段階としては,実施機関がどのような判断基準の下で,同請求の適否を判断するのかが実務上の課題ということになろう。その場合に,大きなカギを握るのが情報公開条例の条文解釈の問題であり,これに伴う形での実務上の運用が大きな課題ということができよう。
紺野卓「地方公共団体における「監査事務」の情報公開に関する研究─条文解釈および裁判例を利用した「事務事業該当性」の検討を通じて─」 『商学集志』第 94 巻第 1 号(’24. 6)

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December 29, 2024

報道機関向け発表資料には表がついていた。

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住民監査請求監査の結果について



まず3番目の論点について
談合がおこなわれることなしには起こりにくい事象が2023年10月以降の「工事監理業務委託」の「指名競争入札」の13件すべてに起こっていることの説明がなされていない。「談合がありましたか?」と関係者に尋ねてみただけなのだろう。

「具体的にその(談合の)合意を形成するための話し合いが、いつ、どこで、誰の参加によってなされたかについてまで立証する必要はない」➔住民訴訟における談合の立証の程度

1番目の論点について
文化財保護法第3条、第4条、第190条に関する言及がない。文化財保護法は、93条、94条、96条、97条の、教育委員会への届出を規定する4か条だけではない。
文化財保護法第190条によれば、文化財の保護の業務を完全に市長部局に移管してしまわない場合には、文化財保護法第190条に基づく(地方)文化財保護審議会は、必置ではない。しかし、北九州市の当局は、文化財の価値付け(を行うかどうか)を市長部局に属する都市ブランド創造局の権限で行うことができると強弁している。そのときに使うのは「補助執行」の概念である。
「教育委員会の業務を補助執行する都市ブランド創造局が適正にやっている」という答弁は、北九州市が定めた補助執行の規則にも明らかに違反している。
文化財保護の業務を完全に市長部局に移管すれば文化財保護法第190条第2項が適用されるが、それが適用されないという形式を取り、門司港地域複合公共施設整備事業で初代門司港駅遺構が発見されたときに、それを文化財とは扱わないという判断を市長部局の権限でやっていたとすれば、文化財保護の最も重要な権限が、市の規定(「補助」執行に関する教育委員会規則第16号)にも反して、「実質上」市長部局に移管されていることになる。つまり、文化財保護法第190条第2項に基づく(地方)文化財保護審議会が必置の状態であり、文化財保護法に違反していると言わざるを得ない。

2番目の論点について
「重要なもの」についての説明におけるくいちがい

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December 28, 2024

住民訴訟(地方自治法242条の2)

(住民訴訟)
第二百四十二条の二 普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。
一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の八第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求
2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。
一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内
二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内
三 監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該六十日を経過した日から三十日以内
四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

地方自治法

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— 井上善雄「住民訴訟と訴訟費用原告住民負担判決」(2011/1/20)

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「市場の失敗」と「政府の失敗」にどう対処するか。

「市場の失敗」に対処するために市場と私有財産制度を廃棄しなければならないという主張が誤りであるのと同様に、「政府の失敗」に対処するために政府の規模を小さくしなければならないという主張は、誤りである。「市場の失敗」が認められるのであれば、市場経済を有効に機能させる制度を整備する必要がある。「政府の失敗」が認められるのであれば、政府の活動が適切におこなわれるようにする制度を整備する必要がある。
— 正村公宏『経済が社会を破壊する:いかにして人間が育つ社会をつくるか』(NTT出版、2005年)

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December 27, 2024

文化財保護上の重要なことは、教育長や市長部局の専決事項ではない。

北九州市教育委員会事務専決規程によれば、文化財保護上の重要なことは、教育長や市長部局の専決事項ではない。 教育長の「専決事項」に、「文化財の保護及び活用に係る事業」、「調査、指定及び管理に係る事業」は含まれていない。つまり、教育長が勝手に決めることはできない。 また、それらのうち「重要なもの」は、市長部局に所属する「市民文化スポーツ局長(2024年4月の組織変更により「都市ブランド創造局長」)」の専決事項でもない。 なお、「文化財保護審議会に関する事務」は、北九州市文化財保護審議会規則第9条を参照すれば、審議会の「庶務」にあたるものである。審議会の重要な事項について決定する権限が市長部局(市民文化スポーツ局長等)に与えられているわけではない。

「重要なもの」という表現を「重要でないもの」を意味するものとして使う人たちがいることにあきれる。あるいは、彼らには、重要なものとそうでないものの区別がつかないのだろうか。「重要なもの」を「補助執行」で片付けてしまっていることに気づいていないのだろうか。

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